二次予備合宿 2014

夏合宿に向けて行われる二次予備合宿。
私たち阪大ワンゲル部は、6月の土日を使って、滋賀県の比良山での2日間の合宿を終えてきました。


二次予備合宿は、

一次よりも重い荷物を持つ
梅雨の時期なので蒸し暑い
景色が悪い

など、あまり楽しいところがない合宿と聞いていたのですが、
山行前後の雨のおかげか、そこまで暑くなく、わりと快適だったように思います。


もちろん、予備合宿は錬成のための合宿ですので、厳しい訓練も行います。
打見山から蓬莱山までのゲレンデを「歩く」、という苦行です。

谷村 ブログ用

一つ坂を上りきると次の坂が現れる。
先の見えない、長く急な斜面を一歩一歩進みます。
進むペースを上げすぎた一回生が、最初の坂を上りきった瞬間、さらに続く坂を目の当たりにして絶望する、なんて場面もしばしば見られました。
自分のペースで上ることが大切なのです。


そんなこんなで、大きなアクシデントもなく、無事に合宿を終えることができました。
続く三次予備合宿も、しんどいことには耐えつつ、楽しめるところは楽しんでいきたいと思います。

(文:59期 谷村 直道)

鈴鹿山脈歩荷記

五月、世に言う「ゴールデン・ウィーク」は、大阪大学ワンダーフォーゲル部の一年のなかで、とりわけ特別な意味を持った一週間だ。ワンゲル部随一の“過酷”な鍛錬合宿、「L養Ⅱ(りーよう・に)」が挙行されるからである。「L養」とは、すなわち「Leader養成」の略。われわれ新2回生にとって、当合宿はまさにワンゲル部員としての進級試験であるのであって、昨年度四月の入部以来、一年を経て、“ワンゲラー”としてどこまで成長できたのか、己を厳しく問い詰める合宿となる。以下、依頼を受けてから随分経っての脱稿となってしまったが、「L養Ⅱ」合宿について、記憶に留めていることを書いていきたい。

☆☆☆ ☆☆☆

今年度の「L養Ⅱ」の舞台は、われわれのホーム・グラウンドと言うべき比良山系と、琵琶湖を挟んで向かい合わせにその位置を占めている、1000m級の連嶺・鈴鹿山脈であった。その滋賀・三重県境の峰々は、比良の武奈ヶ岳から、いつも霧の中に山容を望見していた峰々で、或いは憧れの山脈として、筆者の心中にあったかもしれない。1000m級と侮るなかれ。その縦走中の景色は極めて変化に富み、ササ原の拡がるたおやかな山容をもった竜ヶ岳、急坂の続く峻厳な南稜が印象的な藤原岳、カルスト地形に興趣の尽きない御池岳など、30数kgを背たろうての鍛錬のなかでも、その風景に感動を覚えられるだけの豊かな峰々であった。実に、筆者はあの美景に救われて、最後まで歩ききったのだと思う。
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(たおやかな山容の竜ヶ岳。員弁川流域の展望が開けた)

☆☆☆ ☆☆☆

大阪から近鉄線と三岐鉄道とを乗り継いで三重県いなべ市の宇賀渓に到り、渓流の河原で幕営。当合宿で「食当」を分掌していた筆者は、景気付けにすき焼きをつくって、来る明日に備えた。仲々好評なのが嬉しかった。翌日、河原から竜ヶ岳までの登りは単調であったが、陰湿な照葉樹林帯を抜けて、カラッとしたササ原が拡がったとき、それまでの疲れは一気に吹き飛ぶ。この一帯の山塊を、われわれだけが独占しているようなあの爽快な心地は、山頂で「ザック・ダウン」のコールがかけられるとき、いよいよピークに達した。その後、北へ北へと縦走するその道中は、歩荷量の重いのもあって、またエアリアに記載された幕営地がはなはだ覚束無いものであったこともあって、一様に愉快と言えるものではなかったが、鍛錬合宿であるのだから、そんなことは当然甘受せねばらならない。

急坂の先に展開する「跌宕の美」に快哉を叫んだ藤原岳、伊吹山を望む秘境・鈴ヶ岳もそれぞれ忘れがたい印象をわれわれに与えてくれたが、やはり特筆すべきは、鈴鹿山脈の最高峰、御池岳からの絶景である。快晴の御池からは、未だ雪を戴く白山、木曽駒、御嶽、乗鞍までを眼下に収めることができ、まさに言うことなしという気持であった。この小さな歩荷さんたちにとって、これほどありがたい報いは一体あるだろうか!一年当地に通ったところで、これほどの絶景を何回観られるだろうかというほどのグッド・タイミングでの登頂に、まさに血湧き肉躍る筆者であった。帰路は、控え目ながら凛としたカタクリの花に激励を受けながら、鞍掛峠から国道306号へ下り、バスで滋賀県の彦根に到った。
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(御池岳からの展望。冠雪した白山を遠望できる)
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(御池岳にて。奇蹟的な絶景は、部員たちの腸に染みたことだろう)

☆☆☆ ☆☆☆

酷使した身体を保養することそこそこに、「L養Ⅱ」の翌週、われわれは「新歓合宿」に臨むことが恒例になっている。頼もしい後輩たちに、期待と脅威を感じつつ。。。二週続きの快晴にその絶景をあらわしている武奈ヶ岳に登ると、昨週登った鈴鹿山脈が、やはり遥かに堂々と連なっていた。この後、馴染みの比良山系にて、「L養Ⅱ」を或いは超えるかもしれない過酷さの「2次予備」を何とか終え、明日から白馬で「3次予備」に挑む筆者であるが、果して、“ワンゲラー”としてどこまで成長できているのだろうか。「ゴールデン・ウイーク」からこの間、鍛錬を行なってきた成果は発揮できるだろうか。一歩、一歩、歩みを進めていけば、その一歩は小さくとも、いつか頂きに達することができる。そうした「山の思想」を胸に秘め、ひとつ、いまの自分の力を出し切りたいと思っている。
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(比良山系から望む鈴鹿山脈。五月の二回の山行は、この湖国をめぐって展開された)


(写真・文=2回生 越智 勇介)

投稿日時:2014-08-14 15:02:00
カテゴリ:L養Ⅱ合宿
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平成26年度新歓合宿登山(3)

こんにちは。
59期の木下です。
アップするのが遅くなりましたが、僕も新歓合宿についての記事を書きたいと思います。

とはいうものの、
すでに上回生の視点からの山行に関する記事も、一回生からの視点からの記事もアップされており、山行に関する記事はもう十分だと思います。
だから僕は、今回の新歓合宿で特に印象に残った、我らが大阪大学ワンダーフォーゲル部の所有する山小屋である、暮雪山荘と、そこでの出来事について特記したいと思います。
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山に関してまったくの初心者である僕が初めて見た山小屋に対する第一印象は、「すごい」の一言に限ります。
こんなに立派な山小屋を自分たちの手で作り上げたOBさんたちには頭が上がりません。
そして、築年数が十何年と経った今でも、快適に生活できるのは歴代のOBさんたちの努力の結果なんだと思うと、阪大ワンゲルの歴史の長さと素晴らしさを感じました。

暮雪山荘の中にいざ入ってみると、人が大勢いて「全員入れるのかな」と感じましたが、そんな心配は杞憂で、中は思ったより広くて、快適に過ごすことができました。

僕が暮雪山荘で気になったのは、どこか東南アジアの民族由来のように感じる旗(?)です。
その旗は、暮雪山荘内に何枚か紐でつながってかけられているのですが、その旗に僕は見覚えがありました。
なぜなら、同じ旗が阪大ワンゲルの部室内にもかかっているからです。
いつから、そして、どうして、その旗があるのかは、先輩方に聞きそびれて分からずじまいですが、OBさんのどなたかが「暮雪山荘でも部室にいるかのように過ごしたい」などと思って持ってきたのかな、なんて想像しました。
この記事を読んだ旗についての経緯をご存知の方は、ぜひ教えてください(笑)


そして、初めての山での食事
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平地で食べるよりもご飯がおいしいと感じた一回生は、僕だけじゃないはずです。

そして、食事の後には先輩が作ってくださったケーキをいただきました!
写真を撮り忘れてしまったのですが、平地でも滅多に食べられないぐらいのクオリティでした。とてもおいしかったです。
そんなケーキをを食べたおかげで一日の山行の疲れも吹っ飛びました。
作ってくださったW先輩にひたすら感謝です。


食事の後、自己紹介をして、星空を見て(理学部物理学科の解説付き)と、暮雪山荘での夜を十分満喫できました。
こんな風に楽しい新歓合宿になったのは、ひとえに先輩方のおかげです。
本当にありがとうございました。
来年、自分も先輩方のように一回生を歓迎できるように、これから頑張りたいと思います。


なんだか、文字ばかりの記事になってしまいました(汗
最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。
(文責:59期 木下)

平成26年度新歓合宿登山(2)

どうも、59期生の伊延です。今回は5/10,11の二日間で行われた新歓合宿についての報告をします。

まずは登り始め。木々に囲まれ普段味わう事のない自然を感じました。自分にとっては、急勾配で滑らないようにするのが手一杯でした。
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しかし、ある程度登ると、視界が明け、周りの景色が見えてきました。とてもきれいでしたが、山頂はもう少し先でした。
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そして、ピーク、武奈ヶ岳に到着?今回は快晴で空も青く、景色もすごくきれいでした。これぞ登山の醍醐味かと思いました。
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夜は、自分のpartyでは、カレーライス、善哉をいただきました。久しぶりに山を登り、お腹がペコペコだった自分にとっては、絶品そのもので、美味しくいただきました。

翌日、慌ただしい準備の後、再び歩き始めました。
下りが多かったです。すこししんどい直登気味の坂を越えると、北比良峠が!!
華麗なる琵琶湖の展望を望むことができ、ここでもまた、登山の醍醐味を感じました。
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その後は、下りに下って、下山し、そこからロードで歩き続けていきました。
歩きに歩いて疲れた自分の視界に温泉が入ったときは、本当に喜びました。
温泉で汗を流し、コーヒー牛乳で喉を潤した後は、打ち上げで鱈腹食べました。
料理はテーブルが埋まるほどでしたが、皆さんあっという間に平らげてしまい、すごいなと思いました。

今回は、天気にも恵まれ、スタートダッシュにはうってつけの、充実した合宿だった思います。
自分も更なる高みを目指して、頑張っていきたいと思います。

初めての合宿でサポートして下さった先輩方、一緒に歩いて下さったpartyの皆様、
そして大いなる自然に感謝の気持ちを添えて、この報告を締めたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

平成26年度新歓合宿登山

5月10・11日の2日間に渡り、今年もワンゲル部恒例の新歓合宿を比良山系で行いました
今年度は12人の新入部員を迎え、再び30人を超える大所帯での登山です

天気は昨年度の新歓合宿とは打って変わり2日間に渡って素晴らしい晴天
新入生に新歓合宿で比良の絶景を見せてあげられたことは、上回生としても嬉しいところです
せっかくなので、昨年度の回想も交えながら合宿を振り返っていきたいと思います

さて、集合時間も行程も昨年度と全く同じで
初日朝7時に大阪駅集合→JR→堅田駅→貸切バス→坊村登山口
というもの
これは伝統になるのでしょうか…
違った所と言えば、昨年は堅田駅に着いた時点で雨が降っており、登山口では早速みんな合羽を着ていたのが、今年はそんな心配すら一切無用なほどだったという所です

さて、山で歩いたルートも昨年と全く同じわけですが、登り始めは葛折れで尾根道をひたすら登っていきます
昨年は合羽を着ていたので、相変わらず雨の登りは暑いなあと感じていた記憶があります
晴れていても、この登りは周囲を高い木に囲まれ視界が開けないので、最初の我慢所です
しかし新入生もよく頑張って登ってくれていました

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ある程度登ると視界が開け、周りの山々を広く見渡せる様になります
今回は晴れて展望も良かったので、みんなテンション上がったのではないかと思います
カメラを構える人も何人かいました
そこからは稜線上を歩いていきます
稜線上は視界を遮る木もあまりないので、周りを幾らでも見渡せます
やはり山歩きにはこういう楽しみが必要ですね

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そして気づけばピークの武奈ヶ岳に到着
ここでは3パーティー全てが合流し、みんなで武奈からの絶景を味わいました
実は我々2回生にとって、晴天の武奈というのは初なわけです
今年の新入生である59期には晴れ男がいるのではないか…

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武奈からの下りは晴れとはいえ相変わらずのスリップ誘発粘土地帯で、新入生もだいぶ苦労している様子でした
さて、細川越を折れ少し行けばお馴染みの暮雪山荘に到着です
自分がここで小屋泊するのは昨年の新歓・山小屋合宿に続いて3回目なわけですが、人が入っていないと随分狭く見えて、「ここに30人も入るのか?」と感じます
しかしいざみんなで入ってみるととても広く感じるわけです
不思議なもんですね

夜は1回生にも手伝ってもらって一緒にわいわい夕食を楽しんだ後、うちのパーティーでは善哉を頂きました
甘党の自分にとっては体に染み渡る甘さでした
昨年と同じく全員が自己紹介を行い、新入生は先輩のユーモア溢れる話に聞き入り、上回生は新入生の初々しい合宿感想に耳を傾けていました
個人的には、普段吹田で活動していて1回生と顔を合わせる機会が殆ど無いので、覚えてもらえる様に印象を残すことが切実な目標です

翌朝も昨年を彷彿とさせる主将の「起床!」の号令
上回生が飛び起きて瞬時に朝食の準備を開始する中、突然の出来事に焦りながらも慌ててそれに倣う新入生
…だったかどうかはよく見てませんが、感想を聞いて昨年が懐かしく感じました

2日目はほぼ下りのみ
広谷までの渡渉は新入生も苦労したかもしれませんが、これから何度か来て少しずつ慣れてくると思います
八雲ヶ原は通過しましたが、今年もまたここにテント泊することがあるでしょう
そこから少ししんどい直登気味の坂を越えれば北比良峠です
昨年度天気に恵まれなかった武奈ヶ岳に対し、こちらの北比良峠は比較的天気に恵まれていました
今回もよく晴れており、綺麗な琵琶湖の展望を望むことが出来ました

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そしてそこから大山口までの怒濤の下りでは、新入生にとって特に足が辛くなる少ししんどい場所ですがみんな頑張っていました
そこからはロードでしたが、今回は近くの温泉を目指しザックを背負って長々と歩きました
特に新入生がおそらく疲れている状態で途中迷いかけたりもして心配でしたが…
山行後にしてはちょっと大変でしたね

それでもなんやかんやで無事温泉に辿り着きました
合宿後に入る温泉はやはり格別です
合宿の詳細を知るまでは、まさか新歓合宿に温泉が付いてくるとは思ってませんでした…
何と贅沢な新歓合宿なのでしょうか
入浴後にお決まりのソフトクリームを食べたり、個人的にはとても良いリフレッシュになりました

その後は比良登山恒例、知る人ぞ知るKTTOSでの打ち上げです
同じパーティーの1回生ともテーブルを囲み、テーブルを埋める程の料理をみんなであっという間に平らげました
自分はと言うと、節約の為に普段の食事量が著しく減ったせいか胃が小さくなったのをひしひしと感じるばかりです…
また、昨年は大阪に戻ってから打ち上げがありましたが、最初からここに来るのもそれはそれでアリだなと思いました

今年度も幸先の良い大変素晴らしい合宿になりました
今後が楽しみです

文章:工学部2年・泉竜成