春合宿 西表島

春合宿の企画として西表島に7泊8日の長期合宿に行ってきました。とても濃い内容の合宿 で普段の日常生活では経験できないことばかりでした。
合宿の前半には西表島の真ん中にあるマヤグスクの滝に行きました。西表島には本州には見られないようなマングローブ林などの豊かな植生を見ることができました。山行自体はほぼ平坦道だったのですが、深い沼場で靴がどろどろになったり浅めの川を歩いて上ったりと島の中を探検をしている感覚になりました。最後に現れたマヤグスクの滝は階段状の滝になっていて緑生い茂る森の中に突然現れました。人の気配があまりなく周りの風景と相まって神秘的なものを感じました。


後半には島の南西でリーフ歩きをしました。手付かずの大自然の中で美しい風景に出会 い、豊かな西表の生態系に触れることが出来てとても感動しました。登山道と言われるよう な道があまり整備されてなく自分たちでルートファインディングして時には引き返すことも あり本当にサバイバルをしている感覚になりました。茂みの中を抜けた先に待っていた壮大 な風景は今でも心に深く残っています。潮の満ち引きを考えて翌日の出発が遅かったのでそ の日は夜遅くまで起きていられました。砂浜に寝込んで波の音を聞きながら満月を眺めて、 自分は今地球のどこにいるんだろう...みたいなことを考えている時間がとても幸せでした。
ここまで長く密度の濃い合宿であったので終わった後の達成感と名残惜しさは大きかったです。
今回は私が一年生の春合宿で、先輩方が合宿を成功へと導いてくださったのでとても
感謝しています。この合宿を次の世代にも引き継いでいけるように頑張りたいと思いました。

西表島探勝記

西表島の朝。しだいに見えてくる山際は扁平で、どの山も台形状をしている。その下の、漆黒の闇に包まれていたあたりが鮮やかになるとき、この山の豊かさに驚かされることになった。本州のそれよりいくぶん遅い、亜熱帯の島の日の出である。
nakamagawa
(仲間川マングローブ林の夜明け。この日は朝日が見られなかった)


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格安航空Peachが新石垣空港に就航するようになってから、この日本の果ての島は貧乏旅行者にとってアプローチが容易になった。西表島が属する八重山諸島は、石垣島、竹富島、小浜島、黒島、波照間島、西表島などから構成され、石垣島を主島とする。石垣島から西表島大原港までは船で1時間弱。隆起サンゴ礁で形成されたのっぺりとした島々の中にあって、沖縄県最高峰於茂登岳をいただく石垣島と対置するように、ひときわ宏壮な姿で、その島は現れる。

このブログの読者の中には、ワンダー・フォーゲル部を考えてくれている阪大の新1年生も多いだろうから、若干説明を加えておくと、「ワンダー・フォーゲル」とは、ドイツ語で「渡り鳥」を意味するそうだ。筆者は夏合宿は北海道・大雪山へ、秋合宿では列島の背骨のような信州の連嶺をたどった。日本中を股にかけて、東へ西へ美しい風景を求めて歩くのだから、「渡り鳥」もむべなるかな、である。交通費や食費等の費用として数万円を要するけれども、できる限りの貧乏旅行をするし、テントを担いでみんなで歩くのだから、パック旅行から比べると遥かに安く、また内容の濃い旅となって、ほとんど学生時代にしかできないような、充実した営みを体感できる。


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今回の合宿では、大学の長い春休みを使って、西表島の一周、それから縦断に成功した。大原港を出て、バスと船とを乗り継いで、舟浮と言う集落まではすぐに到れるのだが、そこからがワンゲル魂の見せどころ。西表島の南岸は古来道が通じておらず、大原港まで「一周」を果たすには、ごつごつした岩と、山と、裾礁(リーフ)と呼ばれる浅瀬を歩くことになる。3日間の行程、その間は静寂の砂浜でテントを広げることになるが、こんな贅沢な時間は無いと思った。これを達成するには、もちろん相応のトレーニングは必要だが、決して息が上がるようなことはない。行程は綿密に計画されるが、それ以上急くことはない。歩く旅はどこまでも心穏やかだ。夜には蛍が見られることもあった。夜の寝る前は多少の雑談。こういう場合、近況報告、秘めたる悩み、或いはスケベエな話、それらが話題を支配するのであって、これは古今変わらぬような気がする。朝再び太陽が昇りだすころ、われわれは出発の準備を整え、再び歩き出す。
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(クイラ川の河口をじゃぶじゃぶ。泥にはまって、靴が脱げた)

西表島は、エコ・ツーリズム運動が早くから行われた島として知られており、島民たちを中心に、さまざまな運動が行われている。エコ・ツーリズム産業の盛況に比べて、エコ・ツーリストは、日本においてあまりに育っていないと言われる。われわれも、日々「訪問者」との自覚を持っていなければならない。そういうことを肝に銘じつつ、河の中流の停泊場で他の観光客と別れ、舟から降りた一行は、宏大な浦内川水系の密林に潜り込んだ。沖縄県第2の面積を誇る西表の森は深く、つるつるした岩肌やちくちくする木々が行く手を阻むが、たまたま川の水量は少なく、ついに幻の滝「マヤグスクの滝」を目のあたりにした。遠くから全景を得たり、滝壺まで接近したり。人間の小ささと対照的に、水の動きは壮大だ。上流から流れてきて、段々になった石の上を屏風の如くになって滑らかに落ち、さらに海を目指して流れていく。
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(道中の小川にて。動植物に見慣れないものも多い)


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西表島の魅力はまだまだ語りつくせない。縦断が成功して、打ち上げを終えても、まだ旅を終える気持になれなかった筆者は、竹富島や鳩間島の集落も訪ねたし、西表島も再訪した。たかだか2週間の合宿で、西表島を知った、学んだと言うのは、或いはおこがましいことであろう。ただ、この島でのワンダー・フォーゲルの実践を通じて、この島で感じたさまざまな風景、音、においは、われわれを少し、エコ・ツーリストとして成長させてくれたにちがいない。

ワンダー・フォーゲルの実践は、一つの到達点を目指す先鋭的な登山や、或いは厳しい気候中の過酷な探検を好まない「軟弱な」もの。だけれど、日本中至るところに、自転車に乗ったりもして、さまざまなアプローチで飛び込んでいくことができる。その一端は、この記事でも紹介することができたのではないかと思う。是非部室までお越しください、待ってます!


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hatomazhimayori mita iriomotezhima
(鳩間島から眺めた西表島。やっぱり扁平な島だ)

pinaisara
(ピナイサーラ。マヤグスクの滝とはちがった魅力がある)

sonai no kominka
(西表島の旧村にて。)

komi no hozyo
(さよなら西表島。)


(写真・文=新2回生 越智 勇介)

西表

こんにちは。56期林です。

今回私は西表島合宿に参加しました。
西表島というは沖縄本島から460km、台湾まで200kmの所にあるとても南の島です。
そのため、サンゴ礁とマングローブ林、亜熱帯のジャングルなど、日本の山々とは一味違う自然を楽しむことができます。

浦内川河口マングローブ

そして今回の最大のターゲットはマヤグスクの滝!
マヤグスクの滝


滝の左側、奥に小さく見えるのが人です。ジャングルの真ん中にあり、一目見るのも一苦労でしたが、迫力があり行った甲斐がありました!

今回は前半がサンゴ礁、後半がジャングルでしたが、その間に民宿で休養を取りました。そこのオーナーさんは農家であり、サトウキビ刈りの真っただ中ということだったので、畑にお邪魔させていただくことにしました。

さとうきび刈り
レクチャーを受け、体験させていただきました!そのあとに味わったサトウキビは何とも美味でしたね。


こんな調子で、他にもここに書ききれないくらい多くの体験ができた合宿でした。