平成28年度 二次予備合宿 in 比良山系・蓬莱山

二次予備合宿。前期練成の中で精神的、体力的共に一番つらいと言われるあの合宿である。この合宿を乗り越えられるかどうかが問題だとか、地獄の蓬莱ピストンとか、二次予備にまつわる話は多い。しかし、去年私が参加した二次予備のpartyはいつもの蓬莱山に行くコースではなく、暮雪山荘から北に向かう蛇谷コースを使ったため、その辛さを体験することはできなかった。私が行った蛇谷コースも、落石が多かったり、下山地点からスキー場のゲレンデをピストンしたりと、蓬莱コースとは違った辛さがあったのも事実ではあるが、それはまた別の機会に…。そんな訳で、蓬莱コースを知らない私は、他の1回生と同じように新鮮な気持ちで合宿当日を迎えたのであった。

 

1日目。正直なところ、今日はイン谷口から八雲ヶ原までいつものダケ道を登る、特に面白みのない行程である。スタートは勿論比良駅。ここからイン谷口までが意外に長かった。しかも暑い。7月の初旬といえども日中の最高気温は30度を軽く超える。そして合宿当日の天気は、見事までの快晴。最悪である。拭いても拭いても止まらぬ汗をタオルに無理矢理しみこませながらひた歩く。

1時間ほどでイン谷口に着いた。そこから大山口、カモシカ台と進み北比良峠へと向かう。北比良峠までは暑い以外の感情がなかった記憶しかない。30kg背負って山を登るような日ではなかったことだけは確かである。

北比良峠に到着。そこで私は目にした ―― 今までで一番美しい北比良峠からの景色を。新緑の木々。宙まで続く青空。彼方に見える雲の連なり。そして青く輝く琵琶湖。全てが美しかった。写真を撮ることを忘れてしまうほどに。練成のためダウンを取ることはなかったが、ずっとあの景色を見ていたかったと今でも思う。

北比良峠から少し歩いて八雲ヶ原へ。外ワークを終え、内ワークへと移る。私は今回食当であり、夕食のメニューとして、トマトやナス、アスパラガスをふんだんに入れた夏野菜カレーを計画していた。とそこに、61期のS藤が訳の分からないことを言い出した ―自分はナス嫌いです―。嫌いならなぜ直ミに聞いた時に言わなかったのか。忘れていたと言う。今更言われてもどうしようもないぞ。まあ多分大丈夫です、食べます。やかましいわ。時間もないので作業に取り掛かる。さぁそろそろ出来上がる、というときに、今度は別のテントで調理していた、同じく食当で60期のS木が意味不明なことを言い出した ―菜箸忘れたからおたま貸して―。忘れた?うん。何やってんだお前。ごめん。仕方なくおたまを渡す。紆余曲折を経てカレーが完成。旨かった。片づけ、反省を終え就寝。行程のきつい明日に備える。

 

2日目。天候は曇り。太陽が照り付けるよりかはマシか。そんなことを思いながら蓬莱山に向け出発する。

北比良峠を通過して以降、これと言って何もなかった。60期のT己の恋話で自分が1人勝手に盛り上がっていたぐらいである。

ひたすら歩きに歩いて、遂にゲレンデの下へ辿り着いた。そこから見えていたゲレンデの傾斜はせいぜい20度ぐらいであろうか。「ゲレンデは緑の壁」と事前に聞いていたため、この程度かと拍子抜けしてしまった。まあこんなもんでしょ。そう思いながらゲレンデを登りカーブを曲がると、目の前に緑の壁が現れた。これを登るのか。どうやらそのようである。登る以外道はないため仕方なくつき進んでいく。滝を遡上する鯉にでもなったかのような気分である。

 

やっとの思いで登ると、遠くに雲に隠れたピークが見えた。あそこまで行くのか。どうやらそのようである。登る以外道はないため仕方なくつき進んでいく。滝を遡上する鰻にでもなったかのような気分である。

ピークに着いた。すると、さっきまで天井を覆いかぶさっていた雲が切れ、束の間の青空が見える。一面に広がる芝生の絨毯と、目の高さに広がる雲の連なり。そして青く輝く琵琶湖。とても綺麗だった。差し入れをたいらげ、名残惜しげに頂上を去る。あとは下るだけである。

本当の地獄は、1日目の炎天下の急登でも、2日目前半の単調な稜線歩きでも、蓬莱ピストンでもなかった。延々と続く下りである。昼下がりの蒸し暑さが、ピストンで疲弊した体を襲う。無理矢理会話に持ち込み気を紛らわす。が、最後は話のネタもなくなり、あと少しで合宿が終わるという希望だけをエネルギーに変え、死んだ顔をしながら下山地点にたどり着いた。これで終わった―。そう思ったのも束の間、今度は夕立が自分達を襲う。土砂降りの中、ゴアを着て駅に向かう。そしていつものKTTOSへ。いつもは打ち上げさえすれば、大抵のしんどさは吹き飛ぶものだが、今回はそうはいかなかった。二次予備の本当の辛さをいやというほど思い知った初夏の比良であった…。

H28年度 一次予備合宿 in 紀泉高原・岩湧山

平成28年度一次予備合宿は6月11、12日の日程で紀泉高原にて行われた。59期体制に移行してから初めての練成合宿ということから、各学年がいつもとは少し違った緊張感の中当日を迎えた。2年生として本合宿に参加した筆者自身もいつも以上に後輩を意識しており、移動中の電車の中では隣の61期にひっきりなしに話しかけていた。今振り返ると少々鬱陶しかったのではないかと若干不安である。

合宿1日目は天候もあまり崩れることもなく山行を終えることができた。61期の初めての山での外ワーク練を指導している際に昨年の60期もこんなふうだったなと感傷に浸っていたのはきっと筆者だけではあるまい。また昨年の60期の多くがそうであったように、あの蒸し暑く、狭苦しいテントの中では61期は十分な睡眠はとれなかったのではないだろうか?「いやいや、そんなことはない。」という者は大したものである。筆者はテントにいらしたモスキート氏と暑く、熱い闘いを深夜まで繰り広げていたというのに。
合宿2日目はOUWV恒例の起床からスタートである。新歓合宿で新入生もある程度は覚悟していただろうが、なんせ今回は練成合宿なのだ。新歓のように優しくはない。眠い目をこすりながら必死に先輩や同期からの指示を受ける後輩の姿を見てまたも感傷に浸っていた筆者であった。誤解されては困るので、感傷に浸るばかりではなく筆者もきちんと指導していたことをここに明記しておく。

この日の天気は曇り模様で、予報も午後からは雨ということだった。山行開始すぐの岩湧山への急坂のピストンはさすが練成ともいうべきハードな行程だった。前日の疲れもあり、ここでダウンしてしまった61期もいたのは致し方ないことだったのかもしれない。それでも岩湧山の山頂からの展望は筆者の期待以上によく、あの急坂を登り切ったからこその景色と思うとピストンした甲斐があったと筆者は主張する。しかしながら若干の思い出補正がかかっていることは否定しない。きつい合宿とは得てしてそんな感じだろう。振り返ればだいたいいい思い出になるのだ。であるからして、この日の行程のゴール目前で雨具を着る羽目になり、汗なのか雨なのかわからないがビショビショで歩いたこともきっといつかいい思い出になるのだろう。今のところまだその兆しは見られないが。

 

だいぶ省略した上に感情的な文章になってしまったが平成28年度一次予備合宿は上記のような流れで筆者のパーティーは無事山行を終えた。しかし本合宿は他パーティで滑落が起きたり、指導する立場にある60期の忘れ物が目立ったりと多くの反省点が残る合宿となった。筆者自身も例外ではない。今回霧の原稿を書くことで改めて本合宿を振り返る機会を得られたことをここで感謝したい。各部員が新たな立場で臨んだ初めての練成合宿として、本合宿の反省をしっかりと胸に焼き付け今後のOUWVの活動に邁進していかなければならない。

お詫びとお知らせ

久方ぶりの更新です。
更新が長い間滞ってしまいすみません。

長らく放置してしまっていたブログの更新ですが、今年度の締めくくりと新入生勧誘を兼ね、
今更ではありますが、今年度の活動(主に前期)について振り返っていこうと思います。

本来、記事の連投はあまりよくはありませんが、時期が時期なので、一気に投稿してしまおうと思います。
常日頃からOUWVの活動に関心を寄せてくださるOB・OGの方々、そして部活・サークル選び真っ最中の新入生の皆さんには今のOUWVの活動を理解していただけると幸いです。

現在行われている春合宿等の後期合宿についても、追って投稿していきます。

リアルタイムでの活動報告は、Twitterの公式アカウント「大阪大学ワンダーフォーゲル部(@ouwv_official)」にて随時行っています。よろしければぜひそちらもご覧ください。

また、今年はOUWV創部60周年ということで、中央アジア遠征・台湾一周チャリを始め、様々な記念行事・企画を考えています。
このたび、60周年記念行事用のブログを開設しました(→阪大ワンゲル部60周年ブログ)。

随時更新していくので、60周年記念行事の内容について知りたい方や、企画の進行状況が気になる方はこちらもチェックしてみてください。

最後になりましたが、創部60年という節目の年を目前に部員は皆、やる気に満ち溢れています。
大きな夢を胸に歩み続けるOUWVを、今後ともよろしくお願いいたします!!

<リンク集>
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投稿日時:2017-03-28 11:48:20
カテゴリ:雑記
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