懐かしさとともに、PCを開く。
 マイコンピュータ>ローカルディスク>ピクチャ>ワンゲル>花PW。画面をスクロールしてゆく。もうあれからずいぶん時間が経ったというのに、記憶が鮮明によみがえってくる。


 はじめまして、ワンゲル部60期の宋です。
 今回は、そろそろ夏も佳境に入り、世間では間近となった夏休みに歓喜する一方で、大学生には春学期の期末テストで死に物狂いのデスレースとなっていた7月19日、伊吹山での花PWの様子をお伝えしようと思います。

 冒頭で述べたように、大学生、特に我々1回生にとっては、初めての期末テストに切羽詰まって勉強していた時期でした。
 そんな中、ひとときのリフレッシュとしての日帰り登山企画。テーマは、純粋に山を楽しむ。登りながら草花を愛でようというものでした。舞台は伊吹山。標高1,377mで日本百名山にも選定されている滋賀県最高峰の名山です。

 朝一で集合して、電車とバスに揺られれば、そこはもう伊吹山の登山口。手前の神社で少し休憩し、いざ登山開始。
 天気は暑くもなく寒くもない曇り。しかし、直前に台風が通過したばかりで、ややその影響を懸念しながらも登ってゆきました。

 最初に視界が開けたのは、冬はスキー場となる大きなゲレンデ。視界の右上隅には、斜面を駆け下って大空に舞う、パラグライダーたちの姿も。
 視界を背後に向ければ、早くも小さくなった下界の様子が見えました。

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 懸念されていた台風の影響でしたが、すべてを根こそぎ持っていくほど無慈悲ではなかったようで、しばらく登り続けると、少ないながらも可憐な草花たちが姿を見せ始めました。
 みんな喜んで写真を取り、事前に作ってきた野花の手作り図鑑と見比べて花々の名前や特徴を自慢げに語ってゆく。「誰が調べてきた草花が伊吹山に最も自生していたか」で競争をしはじめる始末。なんだかんだで盛り上がりながらどんどん標高を稼いでいきました。

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 山行も中盤に差し掛かったかという頃、とうとうポツポツと雨が降り始めました。「どうせすぐやむだろう」「いわゆるレインウェア着た瞬間晴れるってやつだろう」としばらくそのまま登り続けましたが、雨は強くなる一方。やむなく隊を止め、大きめの木の下でレインウェアを着て山行再開。
 しかし何ということだろう、やはりあのジンクスというのは強大で、せっかくウェアを着たというのに、そこから数十分と経たずに結局やんでしまいました。とはいえ、そのほうが都合が良いので嬉しかったわけですが、まったくもう、とやや複雑なものでした。

 標高がかなり上がってきたところで、植生も豊かになってゆき、さまざまな花々が姿を見せ始めました。ホタルブクロ、シモツケ、トラノオ、アザミ、、、

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 そして、気づけばあっという間に山頂に到着していました。
 さすがに山頂は風が強く、小屋の中に退避して温かいご飯を。至福のひとときでした。その後しばらく山頂の植生を堪能したのち、山頂付近から出ているバスで下山。
 あっという間に終わってしまいましたが、テストを忘れ、つかの間の自然愛を感じた一日でした。(もちろん、その後はきちんと切り替えてテスト勉強しましたよ笑)

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