6月下旬。

私を含む63期が入部してから1か月以上が過ぎ、いよいよ二次予備合宿に臨むことになりました。

山域はOUWVお馴染みの比良山系。といってもこの頃はまだそんな意識はなく、ただ二次予備はきついぞと小耳にはさんでいたため若干の緊張がありました。とにかく、歩けばつくはずだと自分を雑に励ました覚えがあります。

 

梅雨明けがまだで、初日はあいにくの雨でした。北比良峠を過ぎたあたりから雨脚が強まり、八雲ヶ原の湿原は水浸しでした。しかし私は雨にもそれほど落ち込まずに進むことができました。というのも、私は新観合宿も1次予備も雨に見舞われまだ天気の良い合宿がどれほど幸せに感じるかを知らなかったのです。ぬかるんだ道を歩きながらのんきにゴアテックスと登山靴の防水性に感動していました。(後に、秋合宿で天気の有難みを実感します。知らぬが仏というやつでした。)

初日の目的地、暮雪山荘に到着するも雨はやまず。小屋を横目に濡れながらテントを張るのはいくら錬成合宿といえども酷だろうというリーダーさんの判断で、テント泊改め暮雪山荘に泊まることになりました。濡れたものを干すことができたのでとてもありがたかったです。

 

2日目。雨は上がり、もう夏だといっても差し支えのない暑さに襲われました。私は夏が気温30度を超えることのない季節であればいいのにと心底思っています。ともあれこの日はなんだか調子が良く、打見山のスキー場でのオーダー解放では皆につられて走り出せるくらいに元気でした。ただ想定の5倍ほどスキー場の登りが長く走れたのはほんの一瞬のことでした。

ようやっと辿り着いた打見山頂は人で賑わっていました。重い荷物を降ろして解放感に浸っていたとき、6センチほどのピンヒールを履いた方が颯爽とロープウェイから降りてきて、私は何をしているんだろうなと思いました。でも、その後いただいた差し入れ——普通にスーパーで買えるような、たしかフルーツの何かしらだったのですが、それが本当に、とてもおいしくて。そういうことなんだろうなと思いました。

先輩方、いつも差し入れをありがとうございます。

おいしいものがよりおいしくて嬉しいです。

 

 

雨のち、晴

オーダー解放